ハンニバル〈上〉 (新潮文庫)

ハンニバル〈上〉 (新潮文庫)

ハンニバル〈下〉 (新潮文庫)

ハンニバル〈下〉 (新潮文庫)

トマス・ハリスハンニバル

内容は端的に言えば、一組の男女の「治療」の物語。

美文というか、行間から立ち上がるイメージがとにかく美しい。

楽器・文学・料理・ファッションなど、衒学的な描写が前作『羊たちの沈黙』に比べ、はるかに多いけれど、それが嫌味でも冗長でも無く、この作品の雰囲気を良い方向に作り上げている。

ていうか、ほんと『羊〜』からの飛躍度が半端じゃないわ。

訳者の違いもあるのかも知れないけど。

第六部「長いスプーン」がすごく好き。

幻想的というか、観念と現実が入り混じった感じというか。

「授乳」のシーンとかすごく好き。