2013-02-01から1ヶ月間の記事一覧

『ゼロ・ダーク・サーティー』を観た。フィンチャーの『ゾディアック』を思い出す。大きな闇。そこにひたすら潜り続けることを選んだ人の物語。当たり前だが闇の中に光なんてある訳がない。カタルシスも微塵もない。この映画には勇壮なBGMも、派手なカーチェ…

『アウトロー』を観た。中盤のカーアクションが全てだった。あそこには自由があった。夜の街を暴れ回る赤い車。『ドライヴ』なんかより遥かにドライブしていた。

『ゴーストライダー2』を観た。とにかくやけっぱち。敵味方皆やけっぱち。「金は無い、なら気合いだ」とやけっぱち。ぐだぐだやってる余裕がないから、何もかもがスムーズに進行。で、最低限の抑揚をつけるためにニコラス・ケイジの顔芸が炸裂。某氏も言って…

『脳男』を観た。ただでさえ盆暗物件だった原作をより鋭く、激しく、深くアレンジし直した極限盆暗濃度物件。つまるところ、名作である。これ以上、言うことはない。いや、生田斗真の美しさだけには触れておこう。特に鼻だ。闇夜の中、特徴的な鼻のラインが…

『ニューヨーク1997』を観た。美術が素晴らしい。マッポー加減が何とも言えないわ。カート・ラッセルの精悍さもたまらん。『ドゥームズデイ』はこれをかなり意識してたんだなあ。

『塀の中のジュリアス・シーザー』を観た。思ったより虚実の出し入れ、というか食い合いが足らなくて不完全燃焼だった。受刑者たちがラフな私服でシェイクスピアの『ジュリアス・シーザー』を刑務所のあちこちで稽古している。それをモノクロで撮っていると…

『ライフ・オブ・パイ』を観てきた。僕らには物語が必要で、何ならそれを神様と呼んでもいい。とか、そういう感じ。終盤のパイの言葉により巻き起こされる「大波」がそれまでの景色をより一層悲痛な切実さを伴って輝かせる。それはまるでアンドリュー・ニコ…