2012-10-01から1ヶ月間の記事一覧

『ザ・タウン』を観た。とっても良かった。しかし思った以上に色んな因縁を積載したまま見事に走り抜けたこの手腕なら、『アルゴ』はもうちょいイラン側の人々の因縁を載せることが出来たんじゃなかろうか。まあ、それは客のわがままだな、うん。しかしまあ…

『アルゴ』を観てきた。不安と怒りの渦巻くイランと虚構の町ハリウッドでの狂騒から「帰らねばならない」という祈りと責任がじりじりと地面すれすれを突き進む決死行へ。「アメリカに帰りたい」「家族の元に帰りたい」というトニー・メンデスのベクトルと「7…

『そして友よ、静かに死ね』を観てきた。今年観た全ての映画をぶっちぎっていった……。『アウトレイジ ビヨンド』も『仁義なき戦い』も『ドライヴ』も前フリになってしまった。カタをつける。責任を全うする。清算する。その重さが絆をじりじりと締め付ける時…

『バッド・ルーテナント』を観た。薬物中毒の汚職警官が主人公なんだけど、落ちれば落ちるほど天井に近づいていく奇妙な浮遊感を、相変わらず地に足着いてる感じがしない面構えのニコラス・ケイジが腰痛抱えてひょこひょこしながら体現。裏『ワイルド・アッ…

『アウトレイジ ビヨンド』を観た。「ノー・キル、ノー・ヤクザ」の重力の下、前作を構成していた反転するピタゴラスイッチは破壊され、弱者はただ深い水底へ沈められるのみ。花菱会という圧倒的強者と、アウトサイドファイトに徹した大友が軸なのでドラマの…

『ボーン・レガシー』、正直しんどかった。鏡に書かれていたあのメッセージは我々観客に対してのものではあるまいか。とりあえず種蒔いておけば何か咲くかもしれん、みたいな姿勢はあまり良い感じはしないね。そのために余分にとったスペースが、振り返ると…

『タイム』を観た。やっぱりこの設定、ちょっと無茶だったんじゃなかろうか。「寿命を通貨に」というアイディアは確かに凄いけど、それを果たしてどういう匙加減で描き出せばいいのか扱いに困ってる感じ。というか匙投げてたよね。「こんなもんだよ……こんな…

『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』を観た。回を重ねるごとによりえぐく、より痛い目にあいつづけるイーサン・ハントは最早存在自体がギャグの域だが、トム・クルーズの得体の知れないスターオーラによってドラマにがっつりと根を張ってる…

『市民ケーン』を観た。後味は『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』に近い。ケーンにとっては家から出された時にもう既に「I'm finished」だったんだろうな。オーソン・ウェルズ、チャーミングやなあ。