Icky Thump

Icky Thump

The White Stripes『Icky Thump』

これまでずっと、この人たちは好きになりきれなかった。

ミニマル志向の彼らのサウンドは、個人的には余りにも聞くのがしんどかった。

楽器や音の層の重ね方が凝ってる音楽、「あ、ここにこういう音が入ってるのか」みたいな感じで音楽聞くのが好きな人間としては、彼らのコンセプトは魅力的に映りながらも、のめりこむことはできなかった。

だが、この作品は、そんな俺にとっても、見事に響いてくるものになった。

それまでの「自分たちが演奏できる範囲のことに可能性を見出す」というコンセプトを捨てて、バグパイプなどを導入。

さらに楽器のオーバーダブで音の厚みも増した。

前作でいったん封印されていたエレキギターも大復活し、ジャック・ホワイトならではのクセのあるフレーズを鳴らしている。

アメリカとヨーロッパの民族音楽を自由に渡り歩く音楽性も見事に成長。

去年出た時にスルーしてたのを今非常に後悔している。