本日の『Baby Princess

今日はヒカル

昨日。

みかんとイチゴが
足りなくなって――

春風に頼まれたから
買い物に行ったんだ。

休日に1日家にいるのに飽き始めた
虹子と青空とさくらを連れて。

そらまたなんとも年少組中の年少組と行ったのな。

とにかくみんな――
好きだからな。

みかんとイチゴ。

こたつの上に置いておけば
みかんはいくらでも減っていくし、

イチゴは――
いつだってもちろん――

奪い合いだ。

「もちろん」なのか。

いやぁ熾烈だ。

冷蔵庫をのぞくたびに一つ二つ、
つままずにはいられない、
立夏みたいなヤツもいるし。

一気に食わないのが美学。

麗だって、珍しく
キッチンに立っているかと
思えば――なんだか
薄気味が悪くなるような
にやけた笑顔であたりを気にしながら――

ミキサーを回してる。
牛乳と砂糖とイチゴをたっぷり入れた
イチゴミルク。

なんという……!

見たい……!

さぞ恍惚としているのだろう。

だからたいてい――いつだって。
蛍や春風がケーキを作ろうと思う頃には
冷蔵庫の中のイチゴは足りなくなってる。
ケーキの中に入れるのも――上にのせるのも。

絶対にいつも19個のイチゴを
載せなくちゃいけない――

ウチの特大のショートケーキ。

特大でもショートでいいのか?

だから――行ったんだ。
駅前の八百屋。

それで――ものすごーく
頭に来て帰ってきた。

いったい何事?

なんだかんだで叱ることはあっても怒ることが少なそうなヒカルが。

あそこのおばちゃんは――
おまけのイチゴを青空にくれたりして、
すっごくいい人だとは思うけど。

「19人もいるんだし、あんまりかわいいから――
ウチに1人もらっちゃおうかしら?」

なんてそんなこと――
言っていいことと悪いことがあるじゃないか!?

……なんという姉妹バカ!

あぁ、かわいいじゃないか。

養子なんてそんなこと、
私は絶対に絶対に――許さないからな!!!!

この姉妹に近づこうと思ったらとりあえずヒカルに倒される覚悟がいるわけか。