本日の『Baby Princess

今日は吹雪

夕凪姉から――
頼まれ事をしました。

大変珍しいことです。

頼みごとどころかあんまり喋ってる印象すらないなぁ。

夕凪姉が――

なにやら赤い顔をして
私になにか教えて
欲しいことがある
と言って――

途中でダジャレも
言わずに――

あんなに真剣な顔で――
話を聞いてくれるなんて。

夕凪ってダジャレ言う子だったっけ……あれ?

おまけに――
お礼にと言って、
お菓子をくれようと
しました。

最近、夕凪姉がおやつのたびに
こっそりとためていたらしい――

ミニカプリコを3本も。

あの夕凪が……!?

これはおそらく――
夕凪姉の掌中の玉。

私に差し出した手が軽く
震えていました。

想像するとちょっと笑ってしまう。

ああ、私は
チョコレートのように溶ける菓子も、
ウェハースのように細かく
埃のように砕け散る菓子も
苦手なのです――

またなんか細かいところでロボ・アピールが。

でも、もちろん暗号の
作成の仕方については――
きちんと教えました。

夕凪姉は初めての
暗号作成のようですから
ごく初歩的な換字式の――
アトバシュなどを。

アトバシュって言うのは、「アルファベットの順番を逆転させ、暗号化する手法」とのこと。

キミも――暗号に興味がありますか?
ではキミにも1つ暗号を送ります。

「LMRXSZM WZRHFPR」

私達の仲間にはいるための
秘密呪文、だそうですよ?

えぇ、アトバシュで作ったと考えると「ONICHAN DAI……」

なるほどね。