劇場版『蒼穹のファフナー HEAVEN AND EARTH』を観た。

正直テレビ放映からだいぶ時間が経っているので、ちょっと人物関係が掴めんところはあったが、なんとか脳内補完はできた。

以下ネタバレありの雑感。



何と言うか、見てて辛かったな。

面白いんだけど、辛いわ。

来主って言わば、毎日を死人のように生きてたけど「これ、なんか、おかしくない?」って思い始めたサラリーマンみたいなもんでしょう?

で、そいつに「疑問が浮かんだなら動け!会社の体質を変えろ!」って吹っかけるみたいなもんでしょう?

いやあ、そら「なんで俺に全部背負わせるんだ!」って絶叫するわ。

テレビ放映の時と違ってファフナーパイロット達が精神的に成長して、同化の危険性が少なくなったことの反動というか煽りがもろに来主に引っ被さった感じ。

というかあそこで来主が属するグループのフェストゥムと竜宮島の人々が争う理由はほとんど無いやん。

悪いのは調子乗って核を打ち込んだ人類軍であってさ。

でもなぜか人類軍はこれっぽっちも舞台上に上がらない。

客席から見ているだけ。

でもそこで「あいつらをどうにかしよう!」とはならない……。

「体制を撃て!」とはならんのよね……。

キャシャーン Sins』でキャシャーンがルナを殺さずにただ去っていったことと同質のあきらめを感じる。

何度も言うが面白くない訳じゃない。

アクション・シーンも凄まじい出来だったし。

ハイスピードの空中戦、泥臭い肉弾戦、飛び交うミサイルやレーザー……とても贅沢なアクション・シーンだった。

でも、観てると、やっぱり辛いんだよな……。


あと新井里美さんが咲良を演じてたの全然気付かなかった。

こういう感じの演技もやらはるんやな……。