本日の『Baby Princess

今日は小雨

あっという間に――

3月も10日。

あと2週間で――
春休みです。

春休みって短いよね……。

いつもと違う、
そんなどこかせわしない
空気が苦手な小雨は――

こんな時。

よく図書室に
逃げ込んでしまいます。

分からんでもない。

ガヤガヤと生徒達の声が
響いている騒がしい廊下。

窓からは――
眩しいお日さまの陽射しと
少しだけカサカサした
白っぽい春の風が吹いていて――

そんな廊下から
逃げだすみたいに――

ガラリと――
図書室の扉を開けると。

そこは一転。

しーんと静かな――
本の世界。

別世界。

小雨はようやく――
ホッと息をつきます。

ここなら、誰にも見られずに――

本当の小雨でいられる――

身体のこわばりが緩んで、
笑顔が出て――

あ、私、それまで緊張して
いたんだなってことが
わかります。

この子は本当に学校でうまくやっているのだろうか……。

そして、お気に入りの隅っこの席で――

小雨が最近していること。

それは――真っ白なノートに
お兄ちゃんと私の物語を紡ぐこと――

それが夕凪あたりに見つからないことを祈る。

いつか――お兄ちゃんに読んで欲しいけど。

でもやっぱり死ぬほど恥ずかしいから――
それを読むのは小雨がおばあちゃんになって
死んじゃった後にしてほしいかな――

えへへへへ

頑張ります。