本日の『Baby Princess

今日は霙姉さん

今日は夏至らしい。

1年で1番――
昼の長い日。

すべての不都合を覆い隠す
美しい宇宙の闇から――

1年で1番――

遠ざかる日。

そんな――お天気お姉さん的情報には、
私は本来、まったくもって興味はないが――

しかし――

ああ、まったく。

そのせいで――

こんなに暑いのか?

不都合を隠すから美しいのかい、姉さん。

美しいから不都合も隠れてしまうのか。

しかし、暑い。

つい――
昨日までと同じような
気分で外に出たら――

急に額に浮かぶ汗。

私は――汗と涙は
好きじゃないんだ。

そうでしょうね。

急激な今日の暑さに――
先刻見たら、吹雪などは
どうも真っ赤な顔を
していたようだ。

きっとアレはまだ――
体温の調節機能がうまく
働いていないのだろう。

これは久しぶりに――

倒れるかもしれないな。

あぁーーっと!

うむ。

だからオマエ――
こんな時は間違っても――

吹雪の体に触ったりするなよ?

きっとそんなことをしたら
今ギリギリの臨界点にいる
吹雪の体に最後の負荷がかかって――

おそらく吹雪は瞬時に倒れる。

フフフ

試してみたいか?

さぞ試してみたいだろうな――

――私もだ

なんという鬼姐。

しかし、まあ、
そんなことを
大事な妹の体で試すわけにも
いかないからな。

今日は触る相手は――
まあ私で我慢しておけ。

えぇえ。