■ - hopstepdrop

今日は吹雪

こと座のベガと――
わし座のアルタイル。
２つの星の間の距離は
約15光年。
ですから――
織女と牽牛は――
どんなに急いでも
出会えるのは７年半後。
１年に１回ものペースで
会うことは不可能なのです。

そう言ったら――
春風姉は跳び上がって――
「きゃ――、素敵！
愛は時空をも超えるのね!!　
――きゅん」
と言い――
顔を真っ赤にさせて
胸がドキドキして
仕方がないとしきりに
訴えるので――
私は、春風姉に――
虚血性の心疾患など
起こされては困ると思い、
それ以上は、口を閉じる
ことにしました。
まだ十代だというのに、
春風姉はどこか――
調子でも悪いのでしょうか？

まぁ、あの、どこと聞かれると非常に答えにくいものが……。

しかし――
言っておきますが、
どんなに春風姉が
胸を“キュンキュン”
させたとしても――

愛は時空を超えないし、
多次元の存在は理論上は
確立されていますが、
現在その存在を確認した
人間はひとりもいません。

そして実際には――
この宇宙は常に膨張を
続けていて――
星々や宇宙の間の距離は
ひらき続けていくばかり――。

孤独な星。

確率的にはこの宇宙に
必ず存在するはずの
地球外生命体――
そちらの方との出会いの方が
余程興味がありますが――
距離は開く一方なのです。
残念です。
ですから今日はせめて――
地球外生命体に出会ったときに、
どんな調査をするか――
そのリハーサルをして
みようかと思います。
ああ、もちろん相手はキミです

ワレワレハ。