本日の『Baby Princess

今日は吹雪

今日はよく晴れて
ずいぶん――

暑いですね。

せっかく涼しい
季節になったと
思ったのに――

こう暑いと、
なんだか
がっかりして――

余計に不快に
感じられます。

まぁそう言ってられる内がましというか何というか。

私は――

暑いことと同様に
困ったことがありました。

それは――

オーディションです。

ほほう。

私は――
歌を歌うのは――

苦手です。

それと――

大きな声で
話すのも。

きっと――

音程の調節や
聴覚の機能に――

微妙な問題が
あるのだと思います。

音痴……なの?

うぅん、慣れていないだけという気も。

昔から――
保育士や幼稚園の先生の
話す大きな声や――

激しい音程の高低のある
身振り手振りの――
お話会などが極端に
苦手でしたから。

敏感、とは少し違うか。

繊細というか。

昔も今も――
穏やかな静寂に、
小さなささやき声、
抑揚のない平坦な
音声が――

私に安らぎを
もたらします。

アンビエント

ですから――

学芸会などと
いうものは――

およそ私の得意な
ものごとからは
かけ離れているのです。

台本を覚えるのなら
得意だと思うのですが――

……

それをあのように激しい
身振りや手振りや動作でもって――

“演じる”
というのは――

私にはとても――
無理な話だと思うのです。

倒れてしまうわ。

もうすぐ――学校で
学芸会があります。

私たち2年生の演し物は
スイミー」です。

私はくらげか
いそぎんちゃくを
希望します。

着ぐるみ?

それとも何か装飾でも付けるかな。

可愛い。

というよりも――

はぁ……

あり得ないことだとは
十分知っていますが。

学芸会なんて――
この世から無くなって
しまえばいいのに。

……

こんなにも心情を吐露するのは珍しい。