華麗なるギャツビー』を観た。

予想に反して終盤の幕開けに鳴り響いたJack WhiteによるU2のカバー、"Love Is Blindness"の示す通り「恋は盲目」であるが、その後に待っていたのは「本当に目を瞑るのは馬鹿正直な奴だけで、賢いやつは薄目を開けている」という喜劇。

いつものように童顔から暑苦しいイノセンスを滲ませて悪戦苦闘するディカプリオはこけおどしに満ちた醜悪な世界から逃げのびることができずにただその奥底へと呑み込まれていくだけなのだが、「観客」たるトビー・マグワイアによってちゃんと弔われたことで、スクリーンのこちらにいる私の溜飲はきっちり下がった。