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今月号のSFマガジンに載っていた伊藤計劃の短編がクリスティの某有名作品へのオマージュだった。
被害者の名前見た瞬間に真相が分かったもんなぁ。
いやまぁ謎解きがメインの作品ではないからいいんだけど。
「意識」というテーマが、延々と同じ記憶を違う身体で共有する秘密工作員を通して描かれている。
人間というのは絶えず「反復」にさらされていて、それゆえに人間は「慣れる」という現象に表されるように脳内に一種の回路のようなものを作り出して、日常動作をスムーズに行えるようにしている。
それが進行していくと、どうなるかと言うと無意識のうちにルーティンワークをこなせるようになる。
これはつまり無意識のままに自分の体が動いているわけだ。
それを極端にまで突き詰めていくと・・・。
っていう感じの話だった。
いかに「自分」というものが不確かであるか。
それを知ったところでどうしようもないという虚しさ。