本日の『Baby Princess

今日は小雨

ずっと見ていた
アニメ番組が――
最終回になったり。

学年と組の書かれた
上履きを新しく――
買いかえたり。

卒業式の歌が――
あちこちから
聞こえてきたり。

いよいよ、3月も
後半に入って――

いろんなことが
かわってゆく気配が――

世界中に満ちています。

ついに咲き始めた
小さな花びらを揺らす
風さえも――

小雨の頬をすぅっと
通り過ぎながら――

お別れの季節の
あいさつを告げて
いるみようで。

小雨の胸はなんだか
わけもなく――

ちょっぴりツキンと――
痛く縮んでしまいます。

臆病な、弱虫の小雨。

小雨には――本当はなんにも
お別れの予定なんてなくて。

ただ――

ただ――
なんとなく。

なんだか毎日が
せわしなく、
飛ぶように
過ぎてゆく気がして――

それが少し怖いだけなのに。

この風が――
急に小雨の幸せを
さらっていってしまったら
どうしようって――

そんなことを、わけもなく
心配したりして――。

きっと麗ちゃんが聞いたら、
こんな小雨を怒るでしょうね。

でも――

こんな春の風に吹かれていると
やっぱり小雨はどうしても不安で――

……

お兄ちゃん、お願い。

ずっとずっと――

この春が過ぎても。
小雨達のそばにいるって、
どうか約束して下さい――

ぎゅぅ――

センチメンタル過剰につき全文掲載。