本日の『Baby Princess

今日は霙姉さん

結局、雪は――

降らなかったな。

少しは――
期待していたのに。

なにしろ、
「マホウツカイの本当の子孫」の――
言うことだからな。

万一と言うことがある。

万一とか言ってる時点であんま期待も信用もしてないでしょう、姉さん。

それなのに夕凪は――

あの後誰かに間違いを
指摘された様で、

結局今朝になって、
やっぱり雪が
降らなくて良かった、
これであの91点が、
たまたまのマグレ当たり
なんかじゃなかったことが
証明された、

これはきっと夕凪が本当に
頭が良くなったと言うことだーっ☆!

とかなんとか――
大騒ぎしていたけれど。

頭のよくない発言だなぁ。

嘘は――

よくないな。

嘘は。

結構なプレッシャーを感じる。

きっと心の中では、
91点を取った自分が
あまりにビックリで、
雪が降るに違いないと
思ったくせに。

やはり女子たる者、
間違ったときには
潔く誠実に――
間違いを認めなければ、な。

あぁ、さすがにスパッとしてるな、姉さんは。

不思議なくらい思い切りのいい。

ああ――でも、もちろん
夕凪ばかりを責めることはできない。

同時に私も――
思ったのだ。

夕凪の予感はまさにその通り。
この宇宙の法則の下に――
夕凪がテストでいい点を取る
などという珍奇なことがおこれば
きっと明日は雪くらいかるく
降るだろう、と――。

姉さん……。

だから今日は――

つい。

学校を休んでしまった。

だって絶対に降ると思ったんだ。

ねえさぁん!!

……

おまけに――
海晴姉との賭にも負けだ。

はぁ…

最後にとって置いた
お正月のどら焼き――

さよならだ……

まだ取ってたの?