■
本日の『Baby Princess』
今日は霙姉さん
結局、雪は――
降らなかったな。
少しは――
期待していたのに。なにしろ、
「マホウツカイの本当の子孫」の――
言うことだからな。万一と言うことがある。
万一とか言ってる時点であんま期待も信用もしてないでしょう、姉さん。
それなのに夕凪は――
あの後誰かに間違いを
指摘された様で、結局今朝になって、
やっぱり雪が
降らなくて良かった、
これであの91点が、
たまたまのマグレ当たり
なんかじゃなかったことが
証明された、これはきっと夕凪が本当に
頭が良くなったと言うことだーっ☆!とかなんとか――
大騒ぎしていたけれど。
頭のよくない発言だなぁ。
嘘は――
よくないな。
嘘は。
結構なプレッシャーを感じる。
きっと心の中では、
91点を取った自分が
あまりにビックリで、
雪が降るに違いないと
思ったくせに。やはり女子たる者、
間違ったときには
潔く誠実に――
間違いを認めなければ、な。
あぁ、さすがにスパッとしてるな、姉さんは。
不思議なくらい思い切りのいい。
ああ――でも、もちろん
夕凪ばかりを責めることはできない。同時に私も――
思ったのだ。夕凪の予感はまさにその通り。
この宇宙の法則の下に――
夕凪がテストでいい点を取る
などという珍奇なことがおこれば
きっと明日は雪くらいかるく
降るだろう、と――。
姉さん……。
だから今日は――
つい。
学校を休んでしまった。
だって絶対に降ると思ったんだ。
ねえさぁん!!
……
おまけに――
海晴姉との賭にも負けだ。はぁ…
最後にとって置いた
お正月のどら焼き――さよならだ……
まだ取ってたの?