本日の『Baby Princess

今日は観月

やれやれ!

今日はまた急に――
ひどい降りじゃったの!

「いないいないばぁっ!」やら
おかあさんといっしょ」やら
朝からみんなで楽しく
踊りながら見ていても――

テレビの画面に出てくる――

けいほう、けいほう!

こっちは一瞬だった。

まるで天の水瓶の
底が抜けたような、とは
このことか――と
思わせるような――

大雨。

もしや、昨日の
わらわたちの水まきが
呼び水となって――

この大雨を呼んだのでは
ないじゃろうな?

雨乞い。

この世のありとあらゆるもの、
離合集散の常を持っておれば、

時にモノノケというものは――
良きものも悪きものもみな
寄り集まる性をもっておる。

この夏もよく――

庭のあちこちにボンヤリと
黒くもつれておる毛糸玉のような
モノノケの姿を――
兄じゃもよく目にしたであろ?

まっくろくろすけ……。

あのようななんの力もない
名も無きうつろな者どもも、
孤独は寂しいと見えて――

2、3のものがふと群れ合えば、
あとは急に多くが寄ってきて――
あのような目に見える
力を持つものとなる。

悪運は寄り集まりて
祟りをなし――
良運は寄り集まりて
富貴をなす。

家の片隅にはまっくろくろすけ
寄り集まり――
兄じゃのもとへはわらわたち姉妹が
寄り集まる――

言っちゃった!

この雨神の宴が――

大地の夏の乾きを癒す程度で
終わってくれるとよいのじゃが。

ねー。