本日の『Baby Princess

今日は霙姉さん

なぜだ!!

いったいなぜ――

12月も間近という
この時期になっても
まだ――

我が家に――

アレがないのだ!!!!

ああ、もう!
嘆かわしい――

世が世であれば、もう
とっくのとうに、
ご光臨されていても
よいはずの――
真白き冬にふさわしい、
あの聖なる直方体――

そう――

私の愛してやまない

こ・た・つ!

様だ――

フフフ

このテンション、さすが姉さん。

しかしトゥルー家、まだこたつを出していないのか。

海晴と蛍が――
今年はまだあたたかいから
こたつは必要ない、などと――

いかにもトンチキなことを言うので
大変残念なことに――

今年はまだ我が家では――

納戸の奥から
出されることが
されていないのだ。

トンチキって、あなた。

繰り返して言うけれど――

もう12月になるんだぞ!?

いくらなんでも
遅くはないか??

師走の声を聞かずとも
ふつう11月も半ばになれば
どう考えてももう
こたつの出番だと思うし、

現にテレビに流れている
コマーシャルなどでは、
もうとっくに立派なこたつが
安売りにざわめく家族の
真ん中に鎮座して――
山盛りのみかんをのせて
微笑んでいる。

ああ、そんな幸せそうな
ワンシーンを見るたびに
私の心は――

妖しく嫉妬に狂うのだ!

I LOVE こたつ!!

演出的には叫ぶ姉さんの後ろから七色の光がビカーッと出てそうな勢い。

納戸から出すのに
人手が足りないなど
という話であれば――

もちろんそんなことは
私が

おぉ――

気の優しい、この世に
たった1人の愛すべき弟を――

すぐにも動員して
片づけるというのに!!

だと思った!!

でも――

……

海晴と蛍の2人が
反対してるんじゃ――

はっきり言って我が家では――

私に勝ち目はないな。

ですね。

ふむ――

どうだ?

オマエ――
もしかして私のために
納戸の奥からこたつを
探し出してくる気はないか?

この難題を叶えた騎士へのご褒美は――

王女とその王国だ

霙王女のわが王国には――

この季節あんまんがいっぱいで
なかなか幸せだぞ

あんまんはともかく王女が貰えるというのなら。