16:30 観月

白きこころにて――

兄じゃになにを
申そうかと――

こうして考えてみると、

意外になにも――
浮かんでこないものじゃな?

――ふむ。

これはおそらく――

もう、わらわと兄じゃの
気質が完全に同化して
しもうたせいやもしれぬ。

もとより同じ血を
持つものとして――

同じ色のオーラをまとい、
同じ力と同じ幻を――

これまでに幾度も不思議な夜を
共にしてきた2人じゃ

今こうして――
胸に手を当てて
腹の底をのぞいてみれば、

わらわは――兄じゃの、
兄じゃは――わらわの、

今の気持ちが――
寄り添いて――

手に取るようにわかる
ようではおじゃらぬか?

――フフ。

胸に広がるのは
ただこれからも――

仲良う、楽しく――
皆で暮らしていく――

ただそのことへの
無限の憧れ――

クフフ

これからもわらわは
この世に在らぬ物を見、
あの世におわすものを聞いて
暮らしてゆく。

兄じゃはそんなわらわの良き
道連れじゃ

そを簡単に手放すことがあろうか?

これからも――よろしく
お頼み申しますぞ、兄じゃ

わらわはまるで兄じゃに
憑りつくモノノケの1尾がごとく――

ずーっとずーっと
兄じゃのそばにくっついて
ギュウして暮らしていくのじゃ♪

ラブじゃ

ありがとう。

キュウビと一緒にギュウかな、観月