20:30 麗

なにこれ――

落書き?

こんな――

せっかくきれいに
終わったノートに

みんな好き放題
書き込んじゃって――

信じられない!! 

小雨ちゃんから――

内緒でこっそり教えてあげる
って言われて
見に来たけど――

結局。

立夏ちゃんのとこからは
もうグダグダじゃない。

ああ、もう――

立夏ちゃんに後を
つけられてたなんて――

ホント――小雨ちゃんらしい
っていうか――

……。

フフ

それにしてもみんな
ただ日記が終わった
くらいのことで――

騒ぎすぎ。

私も一時は腹も立ったけど――
でも、もういいの。

だって――始まりには
やっぱり終わりがつきものだし。

なにも日記が終わったからって
あなたが――目の前から今すぐ
いなくなるわけじゃあないんだし。

もし本当にあなたが――
目の前からいなくなったら――

いなくなったら――

……

きっと泣くけど。

……

でも、そういうわけじゃあ
ないんだから――

……

うん。

もし私が最後に1つだけここに書くとしたら。

この私に――

男の人でも少しは
ましな人もいるって――

教えてくれたことへの――

感謝、かな。

今度の休みには――

一緒に江ノ電でも
乗りに行きましょう。

デートには――

向いてる電車――

らしいわ、よ?

フン。

ありがとう。

きっと一緒に行こうな、麗。