ダークナイトライジング』観賞2回目の雑感

・ベインに限らず登場人物全員、何かもじもじしてるというかイキきってない感じなのは、ノーランのいつもの「人間なんざ、しょぼっちい」精神の発露なのでは。

・セリーナの「猫耳」は頑張って考えたんやろなあ、としみじみ思う。結果的に「猫耳」になる、という点がすごい。

・ベインにとっては「僕の初恋を君に捧ぐ」やった訳か。非モテライジング。

・途中ベインが暴露した時のブレイクのゴードンを見る目は何度見ても残酷すぎて泣ける。「ちょっと待て、ゴードン君にも基本的人権はあるんだぞ!」と言いたくなるくらい。

・ブレイクがライフル構えて駆けていくシーンは痺れる。背筋のピンとした感じがいい。

・シャキッとした佇まいのセリーナとブレイク、なんかヨレヨレっとしてる他の面子。これが若さか。

・ベインが襟のあたりを掴んで、今にも「俺の名前を言ってみろ」と言いそうな格好すんの、小物臭しかしなくて良い。見ていてちゃんと「こいつ、しょぼいな」と分かる。

・終盤、敵に見つかって「お前は何者だ」と聞かれるも答えられないブレイク。直後にバットマンに「仮面を被れ」と言われるのも含め非常に象徴的な会話の流れで、うまいなあ、と。

ファザコンファザコンの熾烈な戦いとも言えるか。いや、無理して言わんけど。

・「人間なんてこんなもんや」というノーランの思想は、最後のセレモニーでのゴードンの苦みばしった顔によく現れている。

・ベインの信念、割と怪しい。少なくとも口に出してた革命云々は建前で、実際は「タリアがやりたい言うてるし……」ぐらいの気がする。「好きな子と一緒に核爆発で死ねるなんて幸せやなあ」みたいな。やっぱり非モテライジング。