『凶悪』を観た。

「あ、いっけね。これ、先生、関係ないわ」でピエール瀧山田孝之が相好を崩し、観ている自分も吹き出した瞬間、呪いにかかってしまった。

深い闇を覗きこんだ時に自分にもそれがまとわりついていくという呪い。

最後にリリー・フランキーが二度仕切り窓を叩くのは、山田孝之と観ている私達への有罪判決なんだろう。

最初から最後まで山田孝之の顔色が悪いというか、皮膚一枚向こうががらんどうになっているようで、観ていてかなりどきどきした。

山田孝之が訪れる場所が廃墟だったり、空き地だったり、とにかく死臭がたちこめていて地獄巡りという風情があった。