ファンタスティック・フォー』を観た。

クローネンバーグを目指したという変態(蛹が蝶になる方の)描写はかなりの完成度だったし、転送装置を作り上げていく時のチームの熱気にもワクワクした。

終盤の駆け足感に漏れ聞く制作環境の破綻が垣間見えるけど、それでも出来が悪くないのは間違いない。

監督の前作『クロニクル』で見せたコミュニケーション不全な人間を描く腕の冴えを考えると、その辺もだいぶマイルドになってた。

あれと違って、リードとベンは仲良しだから当然かもしれんが。

コンクールに出て、先生たちに発表を見せる時のわちゃわちゃやってるリードとベンは最高やったし、リードが研究所に移って、自室に案内された時の二人の会話の情緒の迸りはすごかった。

だからこそ余計にリードをぶん殴りたくなるわけですが。

変異後のそれぞれの能力の描き方は決して悪くないんだけど、最終決戦のあの何かもっさりしてる感じは『アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン』のあのワンカットでばっちり決める美しさを味わった後だと、ちょっときつかったな。

もうちょいこなれてきたら、もっとうまく捌けるんだろうけど、ジョッシュ・トランクに次があるかというと……。