吹雪(pm4:00)

バスルームの方から、
かすかな水音が伝わってきます。

やわらかな熱いシャワーの音と、
さくらがはしゃいで笑う声。

やっぱ入ったのか。

というか二人で入ってるのか?

今、私の目の前に――
キミはいません。

ようやく――

私の番がきたのですが。

残念ですね。

そういう体か。

意外と皆、いつも通りです。

ああ――
今気がつきました。

もしかしたら、
私の姉妹達はいつも――
愛情表現が大変豊かなのですね。

ですね。

最近――気づいたことなのですが。

確率の問題から考えると――
私とキミが100%の兄妹である可能性は――

――ほぼゼロに等しい値です。

もし本当に兄妹でないならば――
私のキミに向けられたこの気持ちの正体は――

一体何なのでしょうか?

えええ!??

予想外の爆弾が。

え、これはロボット説的な意味なのだろうか。

それとも血縁的な意味なのか。

私はキミの遺伝子を残す器に
なることができるのでしょうか――

ぜひ将来、この謎を――
一緒に解いてみたい。

いや、そんなこと言ってる場合じゃ。

ああ――今頃になって、
少し体温が上がってきた気がします。

目の前にキミがいなくて良かった――

目の前にいなくて、こんなに残念なことはないよ。