D.I.Y.H.i.G.E.

D.I.Y.H.i.G.E.

髭(HiGE)『D.I.Y.H.i.G.E』

前作であるところの『Chaos In Apple』に比べて、印象的なリフや躍動感溢れるアンサンブルが格段に少ない。

つまりロックンロール!な大騒ぎでは全然ない。

サウンドも全体的に耳に優しい感じ。

歪んでいても角はないみたいな。

同じフレーズを何度も繰り返して歌うという曲も多い。

その歌詞もまた今までのようなナンセンスや毒といった、彼らの特徴である要素は希薄だったり。

要するに、ゆっくりと前後不覚でまどろんでいくような作品。

ただそれならそうともっとそっち方面に振り切って欲しかったというのはある。

半端だから"髭よさらば"からの真ん中4曲くらい要らないもの。

毎度恒例のお遊びインストであるところの"タイポグラフィー"はいいとして、"ミートパイ フロム ロシア"とか"イカしてる俺は×××"とかほんとなんで入れたのかよく分からない……。

しかし冒頭の2曲"ダイアリー"と"家"はめちゃくちゃ秀逸。

須藤の感傷的なやさぐれ声が、こういうメロディ中心のアレンジでは活きる。