次は観月

わらわのおる
つき組では――

先ほどからみなが
大声を出して――

どうしておなかが
へるのかな――

と。

賑やかに歌っておるが――

兄じゃは知っておるか?

なぜこの世に“腹が減る”
などという面倒事があるのかと
申せば――

面倒事とは。

まぁ、面倒事か。

それは人の腹の中に――
ちいさきヒダル神が
住んでおるからなのじゃ。

左様か。

――ふふふふ

おぉ、こわやこわや!

でも、大丈夫じゃ。

兄じゃの腹の中のヒダル神は
わらわが払っておいたゆえ――

いつの間に!

今夜はまた――
恒例のチョコパーティじゃ。

舶来の習慣は
我が身に馴染まぬが――

チョコレートは甘くて
おいしくて好きじゃ!

それは何よりで。

あんまり和菓子ばっか食べると霙姉さんみたくなるからね、うん。