次は麗。

最初はあり得ないって思ったの。

バレンタインの――
津鉄メロメロス号。

メロ、メロス。

ダジャレじゃない。

ありえないわ……。

でも津軽21形って――
やっぱり。

貫通扉もヘッドライトも
見れば見るほど、好きなタイプ。

オレンジ色の車体のカラーも
かなりぐっと来るし、
105号っていうナンバー
初恋の人に似て――

でも、とにかく、
ダジャレって最悪――

って、思いながら。

何回か見てるうちに――
なんだかこれはこれで
乗ってみてもいいかって
いう気になってきちゃったのが
不思議。

やっぱり――
大事なのは名前よりも
人柄、よね。

よね。

ジャケットがださくても好きなアルバムとかあるものね。

それに――

こんな寒い季節に――
雪の青森を好きな人と2人で
旅するって――

ちょっといいかも、
なんて思ったりして。

あ、勘違いしないでよね!?

私が言ってるのは――あくまでも、
好きな車両と2人、っていう意味だからね!!

分かりにくいよ、それ!

あなたのことなんか、
私、春風姉様が言うみたいに
愛してるどころか――

全然好きじゃないわ。

だって――男なんて大嫌いだもの!!!!!

久しぶりに出たな男嫌い発言。

でも、まあ。

あなたが保護者として
ついてきたいっていうなら――

べつに止めはしないけど。

チラッ。

あ、その目。

もしかして――

あなたも少し鉄道が好きなの?

トゥルー俺、どんな目をしていたんだ。

うわ――それって、スゴイ
今気づいたわ!

今まで――全然気がつかなかった!
隠すの上手なのね?

すごいわ――もしそうなら私、
教えてあげられること
きっといっぱいあるのに――

鉄道好きの世界へようこそ。

私、あなたのこと好きになれるかも――

現金なやつ!

変なところで単純だわ。