23:00 決意の――

氷柱も

――あっ。

……

なんで――

こんなところで――

会っちゃうわけ?

今日は1日――

下僕に会わないように、
2人っきりに
ならないようにって――

気をつけてたのに。

こんなところまできて
最後の最後に
会っちゃうなんて――

そういう子だよね。

うん、もう寝るとこ。

勉強終わって――
寝る前にちょっと
なにか飲もうかなって
思ってそれで出てきたんだけど――

……

アナタは?

今日は1日みんなに
モッテモテで――
気分良かったんでしょ?

“チュー”だっていっぱい――

したんでしょ?

……

――フン。

緩急。

よかったわね!

私はべつに――下僕が誰かと
キスするくらい――

全然気にしないわよっ!

私には関係ないもの。

ただ――

ただ、いくらお姉ちゃんが
言うからって、そんな――
他の子たちと一緒になって
バレンタインにお手軽なキスなんて――

私は――

したくないから。

手軽じゃなければいいのかい。

べつにアナタだって
私とキスなんか――

したくないだろうから
別にいいでしょ?

それとも、まさか――

アナタ――

……

したいわけ?

私と――

キス。

……

フン。

下僕のくせに――
意外と度胸があるのね?

まさか――そのかわいそうな
下僕アタマをかかえて
ご主人様の私に――

キスがしたいなんて!

これさ、実際トゥルー俺はどういう反応したんだろうね。

いいわよ、そこまで
言うなら――
アナタの方から
そう言うなら――

試してあげても?

ただし――半端な、へたくそな
キスだったりしたら――

絶対許さないからね?

私の初めての――

本気のキス、なんだから。

バカ――
もう、そんなもじもじしてないで、
早く――

こっちだって恥ずかしいんだから――

……

あ。

何、最後の「あ。」って、何。