ダークナイトライジング』感想

ダークナイト』が「ダーク」ヒーローを描いたものならば、『ライジング』はダーク「ヒーロー」を描いた作品だったと思う。

スーパーメカとか、「特訓して復活」の王道展開とか、ヒーロー分増量だったし。

構成においてキャラクターが完全に過不足なく機能していた『ダークナイト』に比べて、消化不良感があるのは事実だけど、三時間弱のサイズを飽きさせずに引っ張り続けるだけの力があったのもまた事実だし、三部作のトリを飾るのにふさわしい作品だったと思う。

まあ、その辺はどうでもいいんですが。

いやぁ、アン・ハサウェイ映画でしたね。

メイド服のアン・ハサウェイ

ドレス姿のアン・ハサウェイ

キャットスーツのアン・ハサウェイ

囚人服のアン・ハサウェイ

特に冒頭のメイド服での立ち回り、窓から落ちて行く時のあの優美さ。

ブルーレイ買ったらそこだけ延々リピートしたくなる出来だった。

キャットウーマン、足技多いんで、必然的に足重点なカメラワークになるんだけど、「へへっ、どうもどうも」っていう話ですよ。

手袋つけたままぶん殴るところも『カウボーイビバップ』のフェイみたいでかっこよかった。

勝気だけど物憂げな表情が多くて、そこもまた素敵でした。

上手に年を取れてる感じ。



蛇足。


ノーランって本当は「人間って、そんな大したもんじゃないよな」ということを強く確信していながら、それを外面だけでも何とか繕おうとして繕いきれてない作家だと思う。

三部作通じてブルースが信じ続けた「ゴッサムの人々」にしても『ダークナイト』の船爆破チキンレースの時のみっともない、だらしない様を見れば御察しの通りだし。

だからまあ今回「市民が描けていない」という批判とかもあるけど、それもまあ当然かな、と。

まともに描く気なんてさらさら無かったんじゃないかと自分は思います。

それでも「せめて少しだけでも」ということで出したのが恐らくあの副本部長でしょう。

「はい、醜態見せたけど、最後は頑張りましたね。お疲れさまでした」みたいな扱いの副本部長。

いやぁ、ほんと、ノーランって最高ですね。