誰よりも狙われた男』を観た。

世界という歯車は人を挟み潰す形をしているんだよ、と物言わぬ一瞥で叩きつけてくる映画だった。

「一人の不法入国者をめぐりハンブルグの対テロ特殊チームがイスラム過激派へのパイプを求め暗躍する」というのが大筋だけど、銃撃戦も爆発も無い、静かな、内省的な映画。

感触としてはリドリー・スコットの『ワールド・オブ・ライズ』が近いかな。

あれをより一層いたたまれなくした感じ。

フィリップ・シーモア・ホフマンの遺作でもあるので、劇場でお別れをしたいという人は是非。