『ボーダーライン』を観た。

この邦題は微妙に芯を捉えていない、ミスリード気味のものだと思う。

途中までは「あぁ、ボーダーラインのこっち側にいるエミリー・ブラントが、あっち側にいるジョシュ・ブローリンベニチオ・デル・トロと死線を潜り抜けることで摩擦と変質が起きる話なんだろう」と思ってたら、火花の一つも起こらずに、傍観してるだけ。

空撮含め、風景を広く映すようなショットが多いのも、そういう気分を醸し出す一因かな。

しかし原題の『Sicario(メキシコでは「暗殺者」の意味で使われる)』にしても、そういうタイトルを選んだ割に、当のデル・トロがジョシュ・ブローリンに押し出され気味というか。

それにしてもエミリー・ブラント、『ALL YOU NEED IS KILL』の時はあまり気にならなかったんだけど、今回は半袖のシーンが多かったんで、いまいち「誘拐対策班のリーダーで現場叩き上げ」のガタイには見えなかったな。

作中でも喧嘩は負けっぱなしだし。