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『Dr.パルナサスの鏡』観てきた。
キーワードは想像力、イメージ。
なんか『リミッツ・オブ・コントロール』観た時も同じこと言ったな……。
まぁ仕方ない、実際そうなんだもの。
「人間は想像力がないから欲望や感情に負けて堕落する」と言う悪魔、「人間は自分の想像力でよりよく変化できる」と言う博士、「人間はたやすく想像力を操られる」と言う詐欺師。
CMを見てるとヒース・レジャー演じるトニーが主役のように思えるが、実際本編見てみるとはタイトル通りパルナサス博士が主役で、でもこの映画を語ろうとすると、やっぱりトニーについて語りたい。
その卓抜したイメージ戦略と話術で人の欲望と感情をコントロールしながらも、自分自身、華やかなセレブレティのイメージを手に入れようとやっきになる哀れな詐欺師。
自分の死ですら偽ろうとする、このとことん哀れな男は、しかし、どう考えたって僕たちに一番近い。
きわめて善良かつ純真な青年であるアントンよりも確実に近い。
虚構に遊ぶものは、虚構に遊ばれているのだ。
しかし、あれだね、鏡の中の世界になると映像のテクスチャーが途端に安っぽい感じになるのは、演出だと分かっているけど、ちょっと微妙だったなぁ。
あとはあのスカート履いたむさい警官たちが歌って踊るシーンは、にわかな俺は「あぁモンティ・パイソンの人だもんな」とちょっと興奮したけど、ファンの人からするとどうなんだろう。