ベストアルバム

十枚選びましたが、特に順位はありません。


凛として時雨『i'mperfect』
彼らの過去作は三枚聴いているけど、それらに比べて何故こんなに気に入ってるのか自分でもよく分からない。
基本はいつものように弾きまくり、叩きまくりなメタルやハードコアを取り入れた線の細いロック。
曲がコンパクトだからかもしれない、と思ったが、昔もこれぐらいコンパクトだった気がするし……。
あんまり雰囲気作りに熱中し過ぎず、フックのあるアレンジを重点したから、なのかなあとか。


All Pigs Must Die『Nothing Violates This Nature』
ブルータルなサウンドの激情ハードコア。
あんまりそれぞれの楽器の音が粒立ち過ぎず、全体が一枚の壁めいて押し寄せてくる感じが良かった。
なんでしょう、この手の音楽は本当に匙加減一つではまる・はまらないが決まるのでなかなか難しいですね。


Asap Rocky『Long.Live.Asap
基本的にどこが良かったかと言うとKid Cudiの1stや2ndと同じで、悪夢めいたトリップ感とサウンドがあんまり重すぎない・硬すぎないところ。
ただKid Cudiに比べるとストリート感というか荒んだ感じがあって、そこが良くも悪くも一味違う。
他のAsapクルーの作品も追った方がいいのかなあ。


Cornelius攻殻機動隊ARISE O.S.T.』
Cornelius独特の分かりやすいカタルシスを排した低体温のアレンジとサウンドが全開。
そのきれいな音に単純に浸るのがお気に入りの聴き方。
2話目のEDとして使われた"外は戦場だよ"も収録されています。
いい曲ですよ。


DIR EN GREYTHE UNRAVELING
新曲が一つと既存曲のセルフカバーで構成された企画盤めいたミニアルバム。
収録時間30分超えてるから、まあ、アルバム扱いしてもいいんじゃないかな、って。
昔の曲が持っていた耽美な風味を殺しきらずに今の自分たちのサウンドに取り込んでいくという感じが、「あ、それです!」とファン心理をくすぐってくれた。


downy『無題 第五作品集』
最近のRadioheadというかThom Yorke周辺の音に足りない肉体感があるサウンド
耳触りなディストーションは無く、聴くだけでは意味を捉えきれない歌詞と歌声も相まって脳と体をトランス状態で揺らす至福の時間。


kamomekamome『BEDSIDE DONORS』
心の中のドブを全力で掻き分けていくような激情ハードコア。
緩急自在の卓抜した演奏に耳を傾けていると、たまに言葉という鈍器で頭をぶち抜かれる。
このバンドは自分の中ではConvergeと同じような位置づけされつつある。


Kanye West『Yeezus』
前作ほど豪華でも、分かりやすくもないのだけれど、前作同様の妙な凄味は確かにある。
メインストリームの「金のかかった重厚なサウンドで、流行の先を行くプロダクションで、豪華なゲストで」というセオリーから相変わらず離れたところで勝手気ままにやっている。



きくお『きくおミク3』
2013年はボーカロイド音源をちょっとだけつまみ食いするようにいくつか聴いたけど、一番肌に合ったのはこれだった。
ポストロック、エレクトロニカを経由したアレンジ、柔らかで色彩豊かなサウンド、殺伐メルヘンな歌詞、初音ミクの歌声で合わせ技一本である。


Tyler,The Creator『Wolf』
ひたすら不穏で不気味なサウンドと低音のフロウで統一されていた前作『Goblin』とは打って変わって、何ならカラフルとかポップという形容さえ使えそうな作品になっている。
でも不思議とこういう時にありがちな失望は無いんだよな。
ちょっとメロウで、ちょっと不気味で、特徴のある声、いい感じのラップ、それで良い。


・雑感

年々CDを買わなくなっている。試聴の時点でだいぶ買うものを絞っている感じ。もっと気を使わず、パーッっといけたらいいな、いくべきなんだろうなあ。
あとメタルらしいメタルが無いですね。手持ちの音源とかは聴いているのでうまくかみ合うようなものと出会えなかったけなのだろうか。