なんばハッチRufus Wainwrightを観に行った。

存外ステージに近い席で嬉しい。

今回は二部構成で、一部が『All Days Are Nights : Songs For Lulu』を全曲演奏し、二部が通常のライブという演出で、なおかつどちらもRufus一人のピアノ弾き語りという形式。

その一部はRufusが登場してから退場するまで一切拍手や歓声をあげてはいけないという変わった仕様になっていた。

定刻を少し過ぎて一筋の照明がピアノを照らすステージ上に、首周りに黒い羽根飾りのついた黒いドレスを着たRufusがゆっくりと登場。

儀式のような足取りでピアノに座りおもむろに"Who Are You New York?"を歌いだす。

その瞬間、声の強さに一気に引きこまれた。

バックのスクリーンに『All Days〜』のジャケットでフィーチャーされた目が浮かび上がる中、粛々と曲をこなしていくRufus

今年の一月に亡くなった母親に捧げる葬礼のような空間。

正直なところ少し眠かったけど……。

やっぱり客の方へ向けてのパフォーマンスって感じじゃなかったしな……。

でも"The Dream"は美しい曲だった。

『All Days〜』の中では一番好きなんだよな。

約一時間弱かけて全曲を演奏し終わり、一部は終了、短めの休憩へ。

そしていよいよ二部。

オレンジのストールに、黒いシャツ、そしてオレンジの革っぽいパンツに着替えてRufusが登場。

やっぱり華があるなぁ。

茶目っ気のあるMCと仕草がとてつもなくキュートだが、いざ演奏が始まると一気に空気が引き締まるのもさすが。

"Foolish Love"のスイングするところで手拍子が始まったのがツボに入ったのか、「いやぁ日本の人達は手拍子好きだねぇ、スペイン人みたい」とかMCで言ってて、その後の"Cigarettes And Chocolate Milk"でも手拍子を催促してたのが印象的だった。

あとアンコールの"Viberate"の歌いだしでミスしたのを挽回するかのような凄まじいボーカルを見せてくれたところに歌い手としての凄味を感じた。

ほんとに贅沢な時間だった。

やっぱりフルバンドで観たいとは思ったが、また今回のようなピアノ弾き語り形式でも十分楽しめると思う。

セットリスト

Beauty Mark (1st)
Grey Gardens (2nd)
Nobody's Off The Hook (5th)
Matinee Idol (1st)
Memphis Skyline (4th)
The Art Teacher (4th)
Imagenary Love (1st)
La Complainte de la Butte
Hallelujah
Foolish Love (1st)
Dinner at Eight (3rd)
Cigarettes And Chocolate Milk (2nd)

アンコール
Poses (2nd)
Viberate (3rd)
The Walking Song


余談

"Foolish Love"を始める前に「日本ではどのアルバムが人気あるのか知らないんだ。で、これから三曲イントロだけ弾くからどれがいいか選んでくれるかな」ってやってたと思うんだけど、あれ、"Foolish Love"以外は何弾いてたのか分かる人がいたら教えてくれないだろうか。

確か一つ目を弾いて全然リアクションが無いのを見て「うぅん『Want One』はダメだな」とか言ってた気がする……。