劇場版『けいおん!』感想

・全体を通して

すっごく良かった。

くだらない意地張って観てなかったのを後悔した。

けいおん!』観ながら、『スティール・ボール・ラン』を思い出すことになるとは思わなかった。

回転、過去・現在・未来、引き継ぐもの、といったモチーフの繋がり。

飛行機の中で唯が梓に問いかけた「逆回転し続けたらどうなるの?」という問いに答えは示されない。

何故なら、過去に行けたとしてそれが何にもならないって、分かってるのだから。

だからこそEDは『さらば青春の光』。

過去に囚われることなどない。

ロンドンのライブ会場で飛び立った鳥が、学校の空でも飛ぶ。

何時だって過去は自分から檻に入らなくても、私達のすぐ後ろに寄り添っている。

ピングドラム』のように人によっては呪いとしてある訳だが、少なくとも彼女たちにとっては翼で、天使なのだ。

梓を翼であり天使と呼んだ唯が最後に翼を広げるように駆けて行く。

そして翼はそれを観た人々に引き継がれる。

彼女たちの美しい羽ばたきを決して僕は忘れないだろう。


・EDについて

『エコール』か『ヴァージン・スーサイズ』かと言わんばかりのパートと『さらば青春の光』のパートが交互に表れる。

決して失われない、輝きがある、ということを教えてくれる。

日笠の、澪の歌声がとても素敵だ。

いわゆる「ロックっぽい」イメージに引っ張られた声で、それはとても澪というキャラクターに相応しい。

澪の歌声は生来のキリッとしたものではなく、少し背伸びをした声で、それがまたとても微笑ましい。


・細くしなやかなもの

髪の毛アニメだった。

むにゅんむにゅん、さらさら、ふわっ。

そんな擬音が脳裏をよぎりまくるくらいに髪の毛アニメだった。

全体的に柔らかさそうで、温かそうで、この冬にぴったりの作品でありました。


・眼鏡+唯

EDのあれは最高だったな。

以前に豊崎愛生があんな感じの格好してたような覚えがあるが、そこから持ってきたのかしら。