2016-01-01から1年間の記事一覧

『アイアムアヒーロー』を観た。よくできたアクションホラー映画で、とても満足できた。序盤の日常が徐々に壊れていく感じもハラハラしたし、そのシメとしてのカーアクションのスリルもたまらなかった。中盤の森での二人旅の過剰に感傷さを味付けしない淡々…

『ボーダーライン』を観た。この邦題は微妙に芯を捉えていない、ミスリード気味のものだと思う。途中までは「あぁ、ボーダーラインのこっち側にいるエミリー・ブラントが、あっち側にいるジョシュ・ブローリンとベニチオ・デル・トロと死線を潜り抜けること…

『バットマンvsスーパーマン』を観た。以下はネタバレ込みの感想。

『マネー・ショート』を観た。虚飾に満ちた金融市場に一撃を加えたトレーダーたちの痛快な逆転劇、という装いで宣伝されてるし、元々コメディ畑の監督というだけあって、気の利いたギャグをかましたり第四の壁を壊したりして、ある程度のアッパーさはあるん…

『X-ミッション』を観た。これをトンデモ映画呼ばわりしてる人たちのことは信用できない。友の死によって、ラインを見失った青年が新たな友に導かれ、再びラインを見出すに至る美しく、気高い物語だった。そして思想の強さを説きながら、「だが物理的な力に…

『ライチ光クラブ』を観た。原作とは別物の暗黒青春戯画と化した同じ監督の前作『パズル』を考えると、やはり物足りなさは否めない。破壊のベクトルが全方位に突き刺さってた前作に対し、クラブの内側でぐるぐる回ってる感じ。ただ予告編の時点で分かってた…

『ヘイトフル・エイト』を観た。「閉鎖空間での濃密な会話劇と終盤に待ち受ける意外な展開」という点で『レザボア・ドッグズ』を思い出さずにはいられないわけだが、その思い出だけで十分だと感じてしまったので辛い。西部劇と言うには銃撃戦が起こるまで結…

『白鯨との戦い』を観た。捕鯨が盛んだった19世紀のヨーロッパ、名門生まれの新米船長とたたき上げの一等航海士が対立をしながら鯨油を求めさまようエセックス号を襲った苦難。「資本主義というシステムにも、見渡す限りの大海原という自然にも、人間は勝て…

『オデッセイ』を観た。火星の赤い地平線に人間の知恵と勇気と情熱とディスコ音楽に対する力強い肯定を刻み込む力作だった。ガジェットのデザインや火星の嵐、セルフ手術といった描写が『プロメテウス』が決して無駄でなかったことを感じさせてくれて、それ…

『ブラック・スキャンダル』を観た。昔読んだ花村萬月の『笑う山崎』という小説で、ヤクザが堅気のタクシー運転手に「ヤクザにモノ頼むなんてアホのすることや」と言うくだりがあったのを思い出した。何というかとにかく「微妙に地味」という印象を受ける。…

『エージェント・ウルトラ』を観た。ボーン・シリーズにせよ、『イコライザー』にせよ、本気の暴力集団が全力で殺しにかかってくるところを主人公もまた全力でいなしたり、叩き潰したりするところにスリルやカタルシスが生まれていた訳で、こんなしけたマッ…

『クリード』を観た。真っ当な通過儀礼、王族の継承式典という趣。チャンピオンとの死闘の最中、クリードの口から零れた「過ちなんかじゃない」は心を撃ちぬかれた。クリード役のマイケル・B・ジョーダンも、その面構えや歯並びから滲みだす折り目の正しい感…

★(ブラックスター)アーティスト: デヴィッド・ボウイ出版社/メーカー: SMJ発売日: 2016/01/08メディア: CDこの商品を含むブログ (20件) を見るSTRICTLY 4 MY N.I.G.アーティスト: 2パック出版社/メーカー: (株)ソニー・ミュージックレーベルズ発売日: 1998/…

『クリムゾン・ピーク』を観た。幽霊映画だと思ってたら、眼鏡映画で姉映画だった。ギレルモ謹製異形も随所に出てくるし、いい顔、いい音で画面を彩ってくれるんだけど、それはそれとして姉なんだよなあ。イーディスとルシールの対比を始めとして、色彩設計…

『ストレイト・アウタ・コンプトン』を観た。若者たちの栄光と挫折と闘争を中心人物三人(目はしのきく売人、音楽一筋なトラックメイカー、賢明なラッパー)にそれぞれフォーカスしながら描き出した力作。 暴力を否定も肯定もせず、そこにある確かな作用とし…